「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物」展へ行ってきました。
昨日、高校時代の友人と根津の弥生美術館・竹久夢二美術館に行ってきました。
きっかけは、着物のイラストを描いた私の絵をインスタで見た彼女が「着物で出かけよう」と声をかけてくれたんです。
私の実家にはたくさんの着物があり、この前着物一式借りてきました。
一応子供の頃から着物を着る機会(着せてもらってました)が頻繁だったこと、配膳のアルバイトで簡易的な着物を着ていたから大丈夫かな?と思っていたんですが、いざ自分でやろうとしたらよくわからない!
本やYoutubeを見ながら四苦八苦しながら練習しましたが、腕が痛くて回らない(!)ので、結局帯は作り帯にしました。
根津駅前で待ち合わせした友人と、串揚げ屋「はん亭」へ。
お昼は3,500円の串揚げランチしかなくちょっとリッチでしたが、久しぶりの友人との再会のお祝いでもあるので良し!
後から後から、揚げたての串揚げが出てくる・・・!
ホタテや鮭の串揚げ、本当においしかった〜。
ご飯は「ご飯と赤だしの味噌汁」か「お茶漬け」を選べて、私はお茶漬けを選びました。
海苔の量がすごい!
さて、高校時代の友人とは、なんと20年ぶりの再会。
SNSでつながっていたから、そんなに経っていた気もしないんだけど、時が経つのって本当に早いとしか言いようがない。
お互い歳はとったけど、中身はあまり変わっていないよね。
彼女はとっても着物に詳しくて、あらためて「着物って沼だな・・・」と思いました。
さて、お腹がパンパンに膨れたところで、目的地の「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物」展へ。
かなり着物にこだわりがあった谷崎潤一郎と、その周囲の人間が実際に身につけた着物や小物、さらに谷崎潤一郎の文学作品の登場人物をイメージしたコーディネートをアンティーク着物で再現するという展示です。
実は私、そんなに谷崎潤一郎の作品を読んではいなかったのですが、展示に作品のあらすじや、その作品が生まれた背景が書いてあるのでよく知らなくても楽しめます。
しかし・・・谷崎潤一郎の恋愛模様がすご過ぎて、ドン引きしました。
悪女が好きな谷崎は、ある芸者に熱をあげるけど、そちらは無理そう、とその妹と結婚。
似てるかと思いきやその妹は貞淑でつまらない!と今度はその妹(14歳)に手を出すという・・・
完全にアウトですよね。
その後もまた違う女性と色々恋愛して、そういう私生活が全て作品の肥やしになっているのは事実ですが、ちょっと身近にいたら受け入れがたいなぁ。
とはいっても、才能のある男性に女性が吸い寄せられていくのは、時代や場所関係なく一定の法則なのかもしれませんが・・・。
男性的な機能が衰えてくると、今度は性に執着する老人男性を主人公にして「瘋癲(ふうてん)老人日記」を書くという徹底ぶり。
息子の嫁に恋をしたその老人、嫁の足に踏まれたい!と足型を作って頬ずりするとか・・・
いや、どんだけ変態?
しかも、これもモデルがいるそうですよ。
でもこれを文学に昇華しているところがすごいというか、なんというか。
欲望の強さが、作品を生み出す原動力とも言えるのかもしれないな、なんて思います。
ところでお隣は竹久夢二美術館で、こちらもつながっていて見られるんですが・・・。
実は、抒情的なイラストで有名な竹久夢二も、かなり奔放に恋愛をしているんです。
恋愛・不倫・三角・四角関係・・・
そんなエネルギー、持ち続けるのがすごい。
竹久夢二の描く女性はどこかセンチメンタルで、儚げで、きっとそういう女性が好みだったんだろうな。
さてさて、展示されているアンティーク着物は、本当に斬新でおしゃれで、とても自由でした。
大正時代から昭和にかけて洋服が普及しだし、危機感を持った呉服業界が試行錯誤して、それまでの常識にとらわれない斬新なデザインがたくさん出てきたらしいんですね。
館内を撮影できないのは残念でしたが、今回衣装をコーディネートした田中翼さんの写真集があったので、それを購入しました。
田中翼さんのインスタは以前からフォローしていましたが( @wing_kimono)ドクロ柄、テディベア柄、ゴルフ柄など個性的な着物写真がたくさん収録してあってとても楽しいです。
さて食事・展示・おしゃべりをたっぷり堪能して帰路へ。
ちなみに弥生美術館の周辺は東京大学の学校に囲まれています。
雰囲気があってなんだか素敵!
いくつかに分かれていて、東大ってこんなに建物あるの?って感じでした。
日本で一番有名な学校ですからね。やっぱりすごいです。
着物の展示を変えて、「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物」展は来年の1月23日まで続くようなので、ご興味ある人は根津散歩兼ねていかがでしょうか?