思春期の女子たちの、淡い煌めきを描いたシリーズ

韓国のアイドル、New Jeans。

Apple Musicで「Ditto」をよく聴いていたのですが、紅白を見てから、可愛さにはまりました。

そしてあらためてMVなどを見ていたら、若い時に見た、ジャン・ジャック・べネックス監督の「DIVA」を彷彿させるような詩的な映像や、ソフィア・コッポラ監督の「ヴァージン・スーサイズ」を思い起こさせるような思春期の少女たちの儚さと閉塞感が描かれていたりと、まるで短い映画を見ているような濃い内容に衝撃を受けました。

そこから自分が若い時に感じていたような映像や気持ちなどが呼び起こされ、イメージが色々と浮かんできて、絵に描きました。

ハーバリウム

1枚目は「ハーバリウム」

毎日一緒にいた友達。

ずっと一緒にいられるような感じがしていたけれど・・・

卒業して環境が変わり、いつしか会えなくなっていく。

あの時の、あの煌めいた一瞬をハーバリウムの中に閉じ込めたい。

そんなイメージで描きました。

「今」という時間は常に一瞬で通り過ぎていきます。

そして人も、関係性も常に変化していきます。

でも「永遠に続く」と思っていたあの時は、きっと心の奥で煌めき続ける。

そんな気がします。

私は、知っているよ・・・

2枚目は「私は、知っているよ・・・」というタイトルです。

昔からヒヤシンスが好きなのですが、水栽培の時期を逃してしまい、土に植わった状態のものを買ってきました。

徐々に花芽が伸び、小さな花が開いていく・・・

あの小さな球根からなぜ、こんなに大きな葉っぱや花が出てくるんだろう?

水栽培の場合は、球根から伸びる根っこもとても興味深いのです。

なんとなく球根の植物って、神秘的というか、何か秘めているようなイメージがします。

そして浮かんだイメージ。

この光景は、実はヒヤシンスの記憶なのです。

あなたががんばっていること、私は知っているよ・・・

もうこの少女は、この部屋にいないかもしれない。

この記憶は、ずっと前のことかもしれない。

でも、ヒヤシンスは知っている。

ずっとこの光景を心に秘めているんです。

眠る妖精たち

アメリカで5人姉妹が死を選んでしまう話をもとにした映画「ヴァージン・スーサイズ」(実は見ていません)、これが実話をもとにした映画だと知った時には衝撃でした。

本当に悲しい出来事なのに、なぜか美しさや儚さを感じたのを、New JeansのMVを見て思い出しました。

思春期の少女たちは矛盾に満ちていて、相反する気持ちに常に揺らいでしまうようなイメージがあります。

共感、同調、それとともに持つ疎外感、嫉妬・・・

そして恋への憧れや、いつか各自が立ち向かわないといけない将来の不安。

きらきらしているように見える少女たちは、実は疲れている。

だから今だけは夢の中で休んで・・・

妖精たちの眠る姿を閉じ込めました。

もう少しこのシリーズを続けたい気もするのですが、そろそろ時代絵も描きたいなと思います。

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