花魁イラスト集
NHK大河ドラマで「べらぼう」が放送しています。
蔦屋重三郎がお客を吉原に呼ぶためにさまざまな出版物を考えて作り出すという、まさに今のエンタメに繋がるお話で本当にとても面白いです。
さてこの物語に欠かせないのが吉原で働く女郎の存在。
実際、この時代の多数の女郎は親に売られ劣悪な状況で働かされ、栄養失調や性病にかかって無残な死を迎えたそうです。
劣悪な環境で搾取されるだけの存在は「犠牲者」であり、決して美談にしてはいけないと思います。
でもその中でも逞しくのしあがった女性たちもいて・・・
彼女たちを思い描くと、果たしてこの時代の女郎を皆「かわいそうな犠牲者」扱いにしていいのか?
そういう目で見ること自体が彼女たちの存在を下に見ていないのか?
「女郎自体が存在してはいけない」と蓋をするのは、ままならない環境の中でもプライドを持ちながら、芸を磨き誇り高く生きた女性たちに失礼ではないのか?
とも思うのです。
とにかく、色々な業を背負いながらも美と芸を磨きのしあがった「花魁」という存在。
男の願望そのものの女神のようでありながら、決してそれだけでは終わらない芯の強さを合わせもつような女性のイメージで、創作意欲をかきたてられるんですよね。
そうやって思い描いた花魁をのイラストを集めました。
「牡丹」

こちらはNHKで放送していた男女逆転「大奥」で、仲里依紗さんが演じた将軍綱吉からインスピレーションを受けました。
満開の牡丹のように華麗に咲き誇り、傲慢な将軍。
でも、心の奥に悲しみと孤独を抱えてる。
将軍だというのに、まるで花魁のような装いをしていて、それがとても似合っていたのですよね。
最後は牡丹の花を手折られるように無惨で・・
それすらもゴージャスでした。
「紅梅」

こちらは私が想像した、ある女郎です。
この女郎は、惚れた男がいて本来男が支払うべき揚げ代を立て替えている。
だけど「また来る」と約束した男は来ない・・・
「約束した人は来ずとも、時期がくれば花は咲く」
男が来るのを待っている間に、いつのまにか梅が咲いていたのに気がついた女の口からふと出た言葉。
季節がめぐれば必ず咲く花の方が、人間よりよっぽど確かであてになる・・・。
こんなふうに、切ない思いをした女性たちがたくさんいたことでしょう。
「木蓮」

「べらぼう」の花の井(のちに瀬川)を演じている小芝風花さん。
明るいイメージだったんですが、蔦重に惚れた花魁役がとっても良いんですよね・・・
ちゃきちゃきしてある意味男らしい!んですが、その奥に蔦重への深い愛を感じさせる。
そこがすごく魅力的。
さて、花の井を思い描いた時に出てきたイメージは木蓮。
逞しく根を張り枝を伸ばしながら、美しく可憐な花をたくさん咲かせる。

報われない蔦重への愛を秘めながら、重い衣装と同様の業を背負い堂々と歩いて行く。
そんな生き様は凛として美しい。
これからの展開も楽しみです。
「ネオ東京」

「花魁道中」
・・・ですが、よく見ると何か気がつきませんか?

「花魁がスマホ?」
と思ったあなた!そうです、実はこれ想像した「現代版花魁道中」です。
花魁は自撮り、そして禿たちはレインボー綿飴など楽しんでいます。
このイラストのタイトル「ネオ東京」は、古いもの・慣習と新しいカルチャーが混じり合ったTOKYOを表しています。
「花魁」に様々なイメージが湧いてくる!
インスピレーションが沸いた時、また描きたいと思います。
大正ロマンイラストはこちら↓